google-site-verification=x37wJcaBzEzj4hcG1Uhew7lqzf3NOI_YmNRT-gjYT6Y

グラベルロードってそんなにダメなのか

 最近の自転車業界ではロードバイク以上に市場が賑わっているのがグラベルロード。

そんなグラベルロードだが、巷では
「ロードが売れなくなったから市場が頑張って顧客を得るためにひねり出したロードを少し大人しくした乗り物」
「そんな中途半端なものを買うぐらいならロードを買え」
といった声も多く聞かれる。

だが本当にグラベルロードは邪道なのだろうか。今日はそこについていくつかの視点で考えていきたいと思う。

ホイールベース

 グラベルロードは一般的に普通のロードバイクよりホイールベースが長い。これは安定性を高めるためで、グラベルロードに限らず長距離走行を目的としたエンデュランスロードもこれを長めに取っている。
安定性が高いとどのような効果があるのだろうか。一つは低速走行でもふらつかず、高速走行ではビシッとした走りが期待できる。また安定性から来る心の余裕も生まれる。
しかしこれを逆に言うと、安定性が高いわけだからコーナリングは普通のロードに比べると機敏さは薄れる。
と、一般的には言われているが、個人的には機敏さってどこまで求めてるんだろうと思う。
今自分が乗っているジオスミストラルホイールベースは実測で1020㎜。今まで乗ってきた中で機敏さが足りずモッサリしているとは感じたことがない。むしろ機敏過ぎてもう少し安定性が欲しいくらいだ。
このホイールベースは、エンデュランスロードのトレックドマーネより約10㎜以上長い。
ドマーネはエンデュランスロードの中でもホイールベースが長めの部類である。それより長いミストラルでさえ、機敏だと感じることが出来る(人にもよると思うが)のだから、グラベルロードは巷で言われているほどモッサリはしていないのではないか(乗ったことないから何とも言えないけどね)。

タイヤの太さ

 グラベルロードのタイヤ幅はモデルによって大きく違うが、共通して言えるのは普通のロードより7㎜近くは太いということである。
よくタイヤ幅について言われるのが、「グラベルロードはタイヤが太いからスピードも出ないし、重いから長距離がきつい」ということである。
スピードが出ないというのはあくまで25cとかのロードと比べたときであって、30㎞/hはグラベルロードだって出せる。というかこれ以上のスピードで公道を自転車で走るのは個人的には結構危険だと思う。

重いから長距離がきついというのはあながち間違いでもない。しかし、普通のロードの25cは軽い走りが持ち味だが、路面からの衝撃をダイレクトに伝える。悪く言えば乗り心地は良くない。
対してグラベルロードに付いてくるタイヤはエアボリュームがあり、路面からの衝撃をいなしてくれる。
結果的に太いタイヤは重くはなるが、体に伝わる衝撃は少ないのでどっちもどっちといった感じである。

車体の重量

 一般的にグラベルロードは重いとされている。まぁ事実カーボンとかのモデルでさえ8㎏はいかないし、確かにそうかもしれない。
しかしだ。グラベルロードの話をしていると出てこないが、実はアルミのディスクロードとそんなに重量は変わらないのである。
例えば先ほど出てきたドマーネのアルミは約10㎏。アルミフレームで有名なキャノンデールのCAAD13で約9㎏なのである。
こうしてみると、言うほどグラベルロードが重くないのがお分かりいただけるだろうか。
まぁ、重量はあれでもジオメトリが全然違うから走りは全く別物だけどね。

走りの特性

 グラベルロードはよくのんびりした乗り味で、ツーリングに向いてると言われている。対して普通のロードは機敏な乗り味が特徴と言われる。
ただ、普通のロードの機敏さが欲しい人って案外少ないんじゃないかと思う。
多分、ロードを買う多くの人はサイクリングが目的で、ガシガシスポーツ走行をしたい人はそこまでいないのではないだろうか。
サイクリングが目的なら、普通のロードほどの機敏さは必要ないだろうし、むしろもっと安定性がある方が良いのではなか(あくまで個人の意見です)。
それに、ホイールベースの所でも言ったがクロスバイクミストラルですら十分機敏なのだから、それ以上の機敏さは疲れるだけなのではないか(あくまで個人の意見です。重要なのでもう一度)。
そう考えると、グラベルロードは普通に機敏で、程よく速くて乗り心地も良いでサイクリングにはもってこいなんじゃないかとさえ思う(乗ったことないから実際どうかは物によると思うけど)。

価格帯

 普通のロードには価格ピラミッドが出来上がっている。高い物は性能が高い。安い物はそれなり。
対してグラベルロードは価格のピラミッドが普通のロードほど顕著ではない。一応ピラミッドもあることはあるが、案外上位グレードとエントリーグレードで値段に見合った差がない(気がする)。
だから普段乗っていて普通のロードほど価格を意識することがない。これは大きなメリットだろう。

まとめ

 ここまで書いていて思ったのが、グラベルロードは巷で自転車界のSUVと言われているが、実はスポーツカーやスポーツツアラーなんじゃないかということ。そもそもグラベルロードのベースはロードバイクなんだから走りが退屈なんてことはない(ハズ)。
対してロードバイクはレーシングカーに例えられるのではないか。
こう考えてみると、レーシングカーの走りが好きな人もいるけれど、もっと身近なスポーツカーの走りが好きな人もいるってことで良いのではないか。
グラベルロードだからダメ、ロードが良いとかじゃなくて、どっちも良いってことで互いに認めて合って気持ちよく過ごせる自転車という趣味の世界をつくるべきだと思う。
せっかくの趣味の世界なんだから、わざわざ自分と違うものを敵対視して、つまらない世界にしてしまうことがないようにしたい。

なんか最後の方は少し脱線した気もするけれど、こんな感じでグラベルロードは全然アリな存在だと思う。メーカーの思惑がどうであれ、自分の使い方に合っているのならそれは買いだと思う。